地方公共団体の内部統制評価報告書の公表状況調査【埼玉県編その1】
・今回から2回に分けて埼玉県を取り上げる。近年では、「翔んで埼玉」が映画化され2作目も映画化されている。
§ 翔んで埼玉~琵琶湖より愛をこめて~:https://www.tondesaitama.com/
・埼玉県には40市ある。
・各地方公共団体のHPによると内部統制評価報告書を公表している市はさいたま市、上尾市、和光市がある。その他に、朝霞市と新座市は内部統制状況運用状況報告書を公表している。
§指定都市:さいたま市(人口約134万5千人)
§その他の市:上尾市(人口約22万8千人)、和光市(人口約8万5千人)、朝霞市(人口約14万3千人)、新座市(人口約16万6千人)
・その1では、さいたま市、上尾市を取り上げる。
1.さいたま市
・代表社員が監査法人勤務時代のクライアントがあるため訪れたことがある。
・鉄道博物館、氷川神社、埼玉スタジアム2002、大宮盆栽村などがある。
§鉄道博物館:https://www.railway-museum.jp/
§氷川神社:https://www.musashiichinomiya-hikawa.or.jp/
§埼玉スタジアム2002:https://www.stadium2002.com/
§大宮盆栽村:https://omiyabonsaimura.com/
・HPのトップは、「市報さいたま2024 vol.283 11月号」、「さいたまマラソン2025年3月16日(日)開催!!」、「“さいたま市みんなのアプリ”スタートしました さいたまライフがもっとスマートに」、「大宮盆栽村100周年」のスライドショーとなっていた。
§おおみや市役所: https://www.city.saitama.lg.jp/
・令和5年度の内部統制評価報告書の評価結果は以下の通りであり、また運用上の重大な不備9件について補足事項・資料の「ウ 内部統制評価部局による評価 (エ)内部統制の重大な不備の是正について」に記載している。
3 評価結果
(1)全庁的な内部統制の評価
全庁的な内部統制の取組及び成果を確認し、評価基準日において有効に整備され、評価対象期間において有効に運用されていると判断しました。
(2)業務レベルの内部統制の評価
業務レベルの内部統制の取組及び成果を確認し、評価対象期間中の運用上の重大な不備を9件把握したため、内部統制は評価対象期間において一部有効に運用されていないと判断しました。
以下に、運用上の重大な不備9件の項目のみ記載する。
(エ)内部統制の重大な不備の是正について
【市長部局】
1 障害児福祉手当及び特別児童扶養手当の案内誤り等による手当の未支給について
2 債務負担行為の設定に係る不適正な事務処理について
3 支援措置対象者の個人情報の漏えいについて
4 障害者相談支援事業に係る消費税の取扱い誤りについて
5 生活保護費の振込遅延
6 病院事業会計における企業債届出・借入の事務処理誤り
【水道局】
1 上下水道料金の誤請求
2 職員による個人情報等の紛失
【教育委員会事務局】
1 市ホームページに掲載した調査報告書のマスキング処理誤り
§さいたま市役所内部統制制度:https://www.city.saitama.lg.jp/006/006/003/index.html
2.上尾市
・代表社員は、上尾市に親戚の家があり訪れたことがある。
・上尾丸山公園、榎本牧場などがある。
§上尾丸山公園:https://www.city.ageo.lg.jp/page/46-maruyama.html
§榎本牧場:http://www.enoboku.com/
・HPのトップ上部は、「みんなでつくる 子育て世代が輝くまち あげお from AGE― 0」、「あげおでエコな暮らし方 AGEO×ECO=AGECO」、「あげお健康ポイントアプリ あげお健康+プラス」のスライドショーとなっていた。
§上尾市役所:https://www.city.ageo.lg.jp/
・令和5年度の内部統制評価報告書であるが、評価結果には以下の記載があった。
(2) 評価結果
令和5年度における各所属のリスク評価シートに基づく取組について評価を実施した結果、次のとおり運用上の不備が2件あったが、そのうち重大な不備に該当するものはなかった。
よって、令和5年度における本市の事務レベルの内部統制は、有効に整備及び運用されていると判断した。
・別紙に、令和5年度における内部統制の不備の概要が記載されている。
〇出納事務
(1) 健康福祉部生活支援課(収納事務に関する運用上の不備)
概要 | 生活保護受給者であった者2名に対する生活保護費返還のための納付書を送付する際、誤って一方に他方の納付書も含めて発送してしまった。 なお、令和5年5月23日にインシデントとして報告している。 |
原因 | 経理担当者と地区担当者とでダブルチェックを行ったが、地区担当者が封入する際の確認を怠り、最終的に納付書を入れ違えてしまった。 |
ヒアリング結果 | 過去にも同様の事例がありダブルチェックの徹底を図っていたところであった。このため再発防止策を見直し、ダブルチェックに加え、納付書送付の決裁時に、封筒と納付書をクリアファイルに入れたものを回すことで、決裁ラインにおけるチェック体制を強化した。 |
(2) 健康福祉部生活支援課(支出手続に関する運用上の不備)
概要 | 生活保護受給者1名の令和6年1月から3月分の生活保護費の支給漏れがあった。 なお、令和6年3月19日にインシデントとして報告している。 |
原因 | 生活保護費の支給は、毎月支給決定の処理を実施する必要があるが、地区担当者が当該処理を失念し、経理担当者と地区担当者とで行ったダブルチェックにおいても、当該処理がなされていなかったことが明らかにならず、結果的に支給漏れが発生した。 |
ヒアリング結果 | 令和6年3月からシステムが変更となり、必ずしも毎月支給決定処理を実施する必要がなくなり、支給漏れの可能性は低くなった。 また、ダブルチェックに際しても地区担当ごとの全件チェックリストを使用することで、支給漏れや支給誤りを防ぐ体制を整備した。 |
§上尾市役所内部統制:https://www.city.ageo.lg.jp/page/015121082302.html
以下、次号。